iPhoneの水没修理
iPhoneが水没した際の応急処置
iPhoneを水没させてしまったら、とりあえずの応急処置としてやっておくべき事がいくつかあります。
まずは落ち着いて、水没したiPhoneを静かに水の中から取り出しましょう。そして電源をチェック。 もしまだ電源が入っているようであれば、必ず電源を切るようにしてください。
次にカバー類を取り外して、タオルやティッシュなどでできる限りiPhoneの水分を丁寧に拭き取ります。その際、SIMを抜き取り、水分を除去した上で大切に保管することも忘れてはいけません。また、ヘッドフォン端子やDockコネクタ部分の水分に関しては、ティッシュをコヨリ状にして吸い取ります。
水分を丁寧にふき取り終わったら、内部を少しでも乾燥させるためにジップロックなどのビニール袋に乾燥剤を詰め込み、その中にiPhoneを入れてください。乾燥剤がなければ、次善の策として、お米の袋の中に入れるという手もあります。
ネット上では、「この状態で2、3日放置したら復活した」といった情報もあるようですが、本当に水が本体内部にまで浸入していたのであれば、内部では酸化による金属部品類の腐食が進んでいても不思議ではありません。当初は完全復活したように見えても、遅かれ早かれ、何らかの不具合が生じてくる可能性が高くなります。
しかも、iPhoneで使われているリチウムイオンバッテリーは水分に大変弱く、少しでも水に濡れるようなことがあれば、侵食や腐食が始まってしまいます。液漏れで済めばまだいい方で、最悪の場合は発火や破裂する可能性すらあります。その意味でも、応急処置はあくまでも当面のものと心得て、できるだけ早く修理業者に見てもらうことをおすすめします。
iPhoneが水没した際にやってはいけない事
iPhoneを水没させてしまった時、これだけは「やってはいけない事」があります。たとえばiPhoneを水から引き上げた時、つい「大丈夫かな?」なんて思いながら、電源を入れてしまう人がよくいます。これは最もやってはいけない事です。
水没したまま内部の金属部品類と水分に電気が通ることで、内部の腐食が進むだけでなく、本来電気が通ってはいけない部分に漏電を引き起こし、破損を不必要に拡大することになるからです。
もちろん、充電ケーブルを繋いだり、パソコンとのUSB接続も厳禁です。iPhoneだけならまだしも、パソコン側にも不具合が発生してしまっては取り返しがつきません。
また、内部の水を出そうとしてiPhoneを振ってしまうのも、よくある間違いのひとつです。内部に水分が溜まっている状態でiPhoneを振ってしまうと、ある部分で止まっていた水が、他の部分へと移動し、金属部品類の腐食範囲を広げてしまいます。同じ意味で、ドライヤーを使って、内部を乾燥させようとする行為も危険です。水が移動するだけでなく、熱を送り込むことは、内部で起こっている化学反応を助長させてしまう可能性が高くなります。
いずれにしても、iPhoneを水没させてしまうと復旧不能のリスクが高くなります。放置していてもダメ、かと言って間違った行動を取ってもダメ、正しい対処を行う事が復旧の可能性を高めます。
特に大切なデータなどが保存されている場合は、適切な応急処置を施しつつ、早急に業者に修理を依頼した方が賢明です。ちなみに、同じ水没であっても海水に落とした場合には、復旧率が大幅に低下します。修理業者でさえも修理できないことがありますので、海の近くなどで使用する際には、細心の注意を払ってください。
iPhoneの水没修理方法
水没したiPhoneを点検・修理に出す場合、まずはどこの業者に出すかが問題ですね。もちろん、水没が保証サービスの範囲に入っているのであれば、何も迷うことはないわけですが、保証期間が終わっていたり、そもそも保証の範囲外だったという場合もありえます。
安心できるという意味で、AppleStoreやApple公認の業者に出すという方も多いと思いますが、料金が高い事と、時間が掛かってしまうのが難点です。
その意味では、お近くにあるiPhone修理業者に依頼するという方法も十分に考慮に値するのではないでしょうか。電話を掛けて状況を説明した上で持ち込めば、早い業者であれば、故障の具合にはよりますが2時間程度で修理・点検してもらえます。料金にしても、見積額が高いと思えば、改めて公認の店に依頼するようにしても良いでしょう。
具体的な点検・修理方法については、まず内部のパーツを取り外し、水分を除去した後、腐食している部分があれば、その部分を清掃します。全体が乾燥したら、もう一度組み立てなおして、起動をチェックします。それで問題がなければ修理完了です。
何らかの動作異常が見つかった場合には、バッテリーやDockコネクタ、液晶パネルなどを順次、点検・交換していくという流れになります。仮に腐食や破損が内部基板にまで及んでいて、ICチップ等に傷害が出ている場合には、残念ながら通常の修理店では対応できない事が殆どです。
ただし、「大切なデータが入っているので、何とかして復旧させたい」という場合は、専門の修復工場に依頼するという手も残っています。電子顕微鏡を使っての手作業とあって、料金は3万円程度。期間も2週間程は掛かりますが、その分、復活の可能性は高くなります。
iPhoneは繊細な電子機器です。電子機器が一番苦手とするものが水分である以上、水没を軽く見ないようにしましょう。ネット上の情報に惑わされて、下手な対応をするのは後悔のもとです。今使用しているiPhoneを大事にしたいのであれば、適切な対処方法を知っておく事、そして水没した際には少しでも早く修理業者による点検・修理を行う事をおすすめします。